鹿児島県薬剤師会 / KPA Compass 運用状況報告

毎日届く大量の通知文書を、AIが自動で委員会に振り分ける。次は、委員長判断で薬局へ届く仕組みへ。

日本薬剤師会から届く業務連絡・情報提供は月に100件を超え、どの委員会の担当か事務局が一件ずつ目視で仕分けています。 KPA Compassはこの仕分けをAIが自動で行い、委員会別に整理されたWebページと週次サマリーを届ける仕組みで、現在は中島(個人)が試作として運用しています。 本資料では現状の到達点と、各委員長が内容を判断し薬局どん2を通じて会員薬局に届けられるようにする次のステップ、あわせて正式にKPAの事業として位置づけるかどうかのご相談を目的としています。

重要 ― 現在の位置づけ KPA CompassはKPAとして正式に発注・承認された事業ではありません。中島個人が試作として構築し、個人の判断で日々運用しているシステムです。本資料は「すでに動いているものを前提に既定路線として進める」ためではなく、正式にKPAの事業とするかどうかをご判断いただくためのものです。
対象会長・副会長・専務理事(三役) 状態中島個人による試作運用(KPA正式事業としては未承認) 現況2026-07-13 位置KPA+(会員基盤構想)とは別の独立システム
01

なぜ必要か

属人的な仕分けと、見落としのリスク

日薬ecat cloudには行政通達・研修案内・医薬品安全性情報などが日々投稿され、その一つひとつをどの委員会が扱うべきか事務局が判断してきました。件数が多く、繁忙期には確認が後回しになったり、担当委員会への連絡が遅れたりするリスクがあります。

現状の課題 仕分けが特定の職員の経験・勘に依存しており、属人化している。委員長側も「自分の委員会に関係する文書が今どれだけ来ているか」をリアルタイムに把握できない。

KPA Compassは、この一次仕分けをAIに任せ、事務局・委員長が確認と判断に集中できるようにするための仕組みです。


02

いま動いているもの

取得から配信まで、すでに毎日自動で回っている

1

自動取得 毎朝6:00 稼働中

日薬ecat cloudから新着の通知文書(PDF)を毎朝自動で取得。人手での巡回確認は不要。

2

AI分類 稼働中

Claude(Anthropic社のAI)が文書の内容を読み、12委員会のどれに該当するかを判定。あわせて確信度スコアを算出する。

3

最終レビュー 稼働中・現在は中島個人が担当

確信度が低い文書(現状 約5%)は「要確認」として専用画面に表示され、最終判断してから確定する。現在この確認は中島が個人で行っており、正式事業化した際は事務局に引き継ぐ想定。

4

委員会別Web公開 稼働中

分類結果は委員会ごとのページに整理されて公開。委員会名・日付・確信度で検索・閲覧できる。

5

週次サマリー配信 今週から稼働

毎週月曜9:00に、直近1週間の文書をAIが委員会ごとに要約し、メールとGoogle Chatに自動配信する。

閲覧はこちら 現在の分類結果は kpa-compass.pages.dev でいつでも確認できます。現時点では中島が確認用に運用しているURLで、事務局・委員長への正式なご案内は今回のご相談を踏まえて判断します。

03

数字で見る現状

2026年7月13日時点

320
分類済み文書(累計)
12
対応委員会数
15
要確認(確信度70%未満)
毎日
自動同期(6:00 JST)

委員会別 内訳

委員会文書数
医療安全委員会60件
総務委員会68件
保険医療委員会57件
医療DX委員会40件
医療福祉委員会20件
健康増進委員会19件
学術研修委員会16件
学校保健公衆衛生委員会13件
災害対策委員会13件
デジタル広報委員会10件
試験検査委員会4件
実務実習委員会3件

04

品質の担保

「AI任せ」にしない設計

AIによる自動分類は便利な一方、誤判定のリスクをゼロにはできません。KPA Compassは誤判定を前提に、以下の仕組みで担保しています。

1

確信度スコア

分類のたびにAIが「どれだけ自信があるか」を数値化する。

2

要確認フラグ

70%未満は自動で「要確認」として専用リストに上がる。

現状 320件中15件(約5%)
3

人による最終確認

要確認分は目視で確定・修正してから公開する(現在は中島個人が担当。正式化後は事務局に引き継ぐ想定)。

4

いつでも再分類可

誤りが見つかった場合、担当委員会を後から修正できる。


05

今後の流れ ― 薬局どん2へ

「中島個人が確認する試作」から「KPA正式事業として委員長が判断し、薬局に届く」へ

最終的な目標は、各委員長が自分の委員会宛の文書を確認し、会員薬局への配信が必要と判断したものを、薬局どん2を通じて会員薬局に直接届けられるようにすることです。まずはその前提として、本システムをKPAの正式事業として位置づけるかどうかのご判断をお願いします。

Now ― 中島個人の試作運用

AI分類・週次配信までを個人の取り組みとして運用中

AI分類 → 中島個人による最終確認 → 委員会別Web公開・週次サマリー(メール/Google Chat)配信まで。KPAの正式事業としての承認・予算はまだない状態。

Next ① ― 正式事業化のご判断

KPAの事業として位置づけ、事務局に引き継ぐ

正式に採用する場合、運用主体を中島個人から事務局に引き継ぎ、委託範囲・予算についてあらためて整理する。

Next ② ― 委員長レビュー画面

委員長が自分の委員会の文書を判断できるように

委員長がログインし、自分の委員会に振り分けられた文書を確認。「薬局向けに配信する/しない」をその場で判断できる画面を追加する。

Future ― 薬局どん2への自動連携

委員長が承認した内容が、薬局どん2の「お知らせ」にそのまま届く

薬局どん2には、会員薬局向けの「お知らせ」配信の仕組みがすでにあります。委員長の承認を、その仕組みに自動で連携させ、薬局側は普段使っているどん2の画面でそのまま受け取れるようにします。

薬局どん2との関係

別事業として運用されている薬局機能情報システムと、配信チャネルとして連携する

KPA Compass

日薬からの通知文書を委員会別に整理する「判断支援」システム。対象は委員長・事務局。

薬局どん2

会員薬局向けの機能情報登録・お知らせ配信システム。KPA Compassで承認された内容の「配信先」として連携する想定。

連携の範囲 薬局どん2そのものを作り変えるのではなく、すでにある「お知らせ」機能に配信元を1つ追加するという小さな連携にとどめます。どん2の他の機能(薬局情報登録・当番登録)には影響しません。

06

想定される質問

ご説明の際によくいただく論点

Q
AIの判断は信頼できるのか?
確信度が低い分類は自動で「要確認」に回り、必ず人が最終確認してから公開・配信されます。AI単独で薬局に情報が届くことはありません。
Q
情報漏洩のリスクは?
扱うのは日薬から会員(薬局)向けに送られる業務連絡のみで、患者情報等の個人情報は含みません。なお現在のWebページはURLを知っていれば閲覧できる状態のため、正式運用に向けてアクセス制限(事務局・委員長ログイン)の追加を予定しています。
Q
薬局どん2の改修が必要か?
どん2側にはすでに会員薬局向けの「お知らせ」配信の仕組みがあり、そこに配信元を1つ追加する小規模な連携で実現できる見込みです。
Q
委員長の負担は増えないか?
委員長作業は「自分宛に振り分けられた文書を見て、配信するかどうかを選ぶ」だけに絞る設計です。文書を探す手間・仕分けの手間はすでにAIが肩代わりしています。

07

運用体制とコスト

現状は中島個人の試作。正式化する場合の体制は要協議

取得・分類・Web公開・通知の自動化にはCloudflare(Pages/R2)とGitHub Actionsの無料枠を、AI分類・要約にはClaude APIの従量課金を利用しています。現時点で月額の固定費は発生していません。ただし現状は中島個人(KEIJIN株式会社)が無償の試作として構築・運用しているもので、KPAとの正式な業務委託契約は結ばれていません。正式にKPAの事業とする場合は、運用主体・委託範囲・費用について別途ご相談させていただきます。


08

本日ご確認いただきたいこと

議論の範囲を明確にする

1
KPAの正式事業として位置づけるかどうか
現状は中島個人の試作運用であることを踏まえ、正式に採用する方向で検討を進めてよいかご判断いただく。
2
正式化する場合の運用主体
採用する場合、事務局への引き継ぎ・委託範囲・予算をどう整理するか、検討の進め方についてご確認いただく。
3
「委員長レビュー → 薬局どん2配信」の方向性をご了承いただく
正式化を前提に、次のステップとして委員長レビュー画面を開発する方向性について、大枠のご了承をいただきたい。
4
アクセス制限の追加について
正式な委員長利用に先立ち、ログイン制限を追加することについてご確認いただく。
本日は決めないこと 委託契約の具体的な金額・委員長レビュー画面の仕様・薬局どん2との連携方式の詳細設計は本日は決めません。正式化の方向性のご了承後、事務局・関係委員会と詰めます。